「24人のビリー・ミリガン―ある多重人格者の記録」という本をご存知でしょうか?
十数年前に大ヒットした本です。
1977年、アメリカ、オハイオ州で、連続強姦事件の容疑者として、ビリーミリガンというセ年が逮捕されました。
しかし、彼には犯行の記憶がまったくありませんでした。
実は、彼の内部には、ビリー本人を含め、何と24もの人格が存在していたのです。
性格だけでなく、知能、年齢、国籍、性別さえ異なると称するこれらの人格たち。
彼らはなぜ生まれたのか。
一貫した意識を奪われ、何度も自殺を試みるほど精神的に追い詰められたビリーはどのように混乱を乗り越えていくのか。
そして、裁判の行方は・・・。
脳に障害を持つ青年を主人公にした『アルジャーノンに花束を』で圧倒的な支持を得たダニエル・キイスが、多重人格という今日の政界を描いた傑作ノンフィクションです。
(「BOOK」データベースより)
24人のビリー・ミリガン―ある多重人格者の記録〈上〉
24人のビリー・ミリガン―ある多重人格者の記録〈下〉
ダニエルキイスの本を当時、夢中でむさぼり読みました。
これが、ノンフィクションだなんて!と当時の私は信じられない思いでいっぱいでした。
心理学を学び、心理療法にたずさわって、心のしくみを見ている今なら理解できます。
私たちの中にはたくさんの人格が住んでいます。これはいたって普通の状態です。
それは、
やさしい人格
冷たい人格
攻撃的な人格
子どもの人格
人の性格というのは、一言で言い表せるほど単純なものでなく
それらの人格が相互作用しあってあらわれているのです。
そこには光の人格もいれば、影の人格もいます。
光の人格は
優等性で、
勉強ができて、
がんばりやさんで、
やさしくて、
まじめ
そんな人格たち。
影の人格は
人見知りで
疑い深くて
面倒くさがりで
なまけもので
いいかんげんで
意地悪で
ふまじめ
そんな人格たち。
光の人格と 影の人格、
これらは私たちの中に確実に存在します。
でも、とかく、私たちは、
影の人格を歓迎しません。
できればなくなってほしいし、
隠していたい。。。
これがあるから私は成長できない なんて思ってしまいます。
ところが、
あまりに、影の人格を無視しようとすると、
影の人格たちは暴れ始めます。
必要以上に人に会うことが負担で
必要以上に人をうたがってしまったり、
仕事をしたいのに何もかもが面倒くさくなり、手を抜いてしまう。
こんな状態です。
そして、こんな状態になるとさらに、
「なんて私はだめなんだ。こんなんじゃだめだ。だらしがない。きっと、みんなもそう思ってる。
恥ずかしい・・・・」
と影の人格を憎々しく思い、追い出そうとします。
でも、影の人格たちはさらに大暴れ。。。
悪循環におちいってしまうのです。
でもね、
影の人格たちは、存在自体は問題はないのです。
あってあたりまえ。
光があれば影があることは 森羅万象の決まりごと。
なにが問題かって?
それは暴れだしていることが問題なんです。
なにか理由があって影達はあばれだしています。
ただ気がついてほしいのかもしれない。
からだがそろそろ壊れるよーちょっと手を抜かないとー
っと言っているのかもしれない。
そろそろ、その思い癖、直していかないと、しんどくなるよ
っと、きっかけをくれているのかもしれない。
こういった影達の反乱や暴走には肯定的な意図があります。
影達の暴走の意図をさぐり、
影の人格たちをコミュニケーションをとりながら、
光と影を統合していきます。
光と影が統合されたとき、
あなたにふさわしい、あなたを一番に輝かせる幸せが手に入るのです。
それが心理療法の目的なのです。